【REVIEW】アジア人女性初のノーベル文学賞受賞・韓国人作家ハン・ガン、受賞後初の作品「光と糸」(河出書房新社) 2025年12/19発売―平和への祈りと希望を綴る

光州事件は、軍事政権の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されたあと、実権を握った全斗煥(チョン・ドゥファン)将軍が軍内部でのクーデターを経て権力を掌握し、戒厳令が敷かれる中で起こった市民による民主化運動の弾圧である。
1980年5月、民主化を求める学生や市民が集まった光州で軍が武力を用い、数多くの命が奪われた。
ハン・ガンは光州で生まれ、幼いころにソウルへ引っ越したが、わずか数ヵ月後にこの事件が起こった。もしかすると、自分や家族が巻き込まれていたかもしれないし、自分のかつてのお隣さんたちが犠牲者だったのかもしれない。少女の胸に大きな影を落とした出来事だったと考えるのは、想像に難くない。
映画ではクーデターは『ソウルの春』『大統領暗殺裁判 16日間の真実』(☜REVIEWはこちら)で描かれ、光州事件は『タクシー運転手 約束は海を越えて』(☜インタビューはこちら)で描かれている。そして、2024年末、前大統領尹錫悦(ユン・ソンニョル)が宣布した非常戒厳令は、全斗煥のクーデター、光州事件を思い起こさせ、市民や野党の素早い反応により短時間で解除される形となったものの、政局は大きく揺れた。
折しも、ハン・ガンがノーベル賞受賞後、約8ヶ月後の出来事だった。
幼い日のハン・ガンの心境を知る手がかりとしては、祖父(カン・シニル)の中国料理店の開店を迎えたばかりの少年チョルス(ソン・ミンジェ)の目を通して光州事件を描く映画『1980 僕たちの光州事件』(☜REVIEWはこちら)がある。
ハン・ガン「光と糸」
訳者:斎藤真理子
仕様:四六変型版/上製/192頁
税込価格:2,200円(本体2,000円)
発売日:2025年12月19日
🛒 Amazonで購入:https://amzn.to/45x4EgG
🖊 文:中村樹基(脚本家「世にも奇妙な物語」など)│ KanStarpress
| 📢 スマホ版 📱 韓スタ!では、この下に関連記事など気になるコンテンツがいっぱい! 🏠 Top Page で最新記事をチェック! 🎙 インタビューや全カテゴリは、韓スタ!ナビや 🗺️ サイトマップ から |

