【REVIEW】韓国人気実力派俳優チョ・ジョンソク主演『造られた殺人』(11・19公開)!チョ・ジョンソンの名演が見る者を映画の世界にぐいぐいと引き込む良質サスペンススリラー!
|どん詰まりとなったムヒョクは先日、テレビ局で電話を受けた〝連続殺人事件の犯人を知っている〟という通報を思い出し、深夜、そのメモに書き留めた住所を頼りに現地に向かう。そこで通報者と会ったムヒョクは犯人とおぼしき男のアパートが留守であるのを確かめると、中に入り…。
本作では主人公がつかんだスクープが周囲の者を巻き込み、どんどんとあらぬ方向に進んでしまい、〝えっ、どうなってしまうの〟とハラハラさせる。それも主人公がどこか憎めない顔貌で、困り顔や焦る顔などをチョ・ジョンソクが抜群の演技力で演じ上げ、見る者を共感させるからだ。
チョ・ジョンソクはミュージカル出身で、映画『建築学概論』で大学生時代の主人公に恋愛必勝法を伝授する友人をコミカルに演じてブレイク。IUと共演した「最高です!スンシンちゃん」でドラマ初主演し、主演映画『私の愛、私の花嫁』が今年1月に日本公開となっている。
ところで、本作の連続殺人事件は1968年から1974年のサンフランシスコで起きた未解決連続殺人事件、ゾディアック事件を思い出させる。本作同様にデート中に若いカップルが殺され、マスコミにスリラー映画の一説をとった犯行声明文を送っているからだ。ゾディアック事件を元にアメリカでは多くの映画が作られているが、中でもデヴィッド・フィンチャー監督の『ゾディアック』は記者の目線で描かれており、見比べるとおもしろいかもしれない。