【インタビュー】韓国実力派俳優ソン・ガンホ！主演韓国映画『タクシー運転手 ～約束は海を越えて～』(4/21公開)で光州に向かうタクシー運転手を熱演！「人間味豊かなキャラクターになるよう努力しました」

――『弁護人』、『密偵』など、これまで現代史を背景にした作品に出演されています。本作も１９８０年の光州を描いていますが、他作品との違いは何でしょうか？

「過去の歴史を扱っているからといって、特別な意識を持つ必要はないと考えています。確かに『タクシー運転手　～約束は海を越えて～』は近現代史における悲劇を扱っていますが、悲劇的な側面を悲しみだけで表現したり事実のみを描こうとはしていません。そういうことよりも、この映画を通じて何を伝えたいかという部分について考え、希望の持てる前向きな映画を作ろうと努力しました」

――１９８０年の光州について、どのように記憶されていますか？

「当時、私は中学２年生でした。ラジオで『暴徒らを鎮圧した』というニュースを聞いた記憶があります。思い返せば情報統制や事実の歪曲によって目や耳を塞がれた時代だったのではないかと思います。あれから長い年月が経ち、忘れられない痛みが持つ本質を知るようになりました。特に撮影中は、無残にも犠牲になった人々の思いや光州の状況を世界に知らせるために努力した方々の高貴な精神を映画に込めて、多くの人たちに伝えるよう努力をしました」

――実在の人物を演じることにプレッシャーはありましたか？

「撮影中はキム・サボクという人物について名前以外の情報はなかったんです。それが本名なのか、どのような人物なのか、ご存命なのかすら分からないという状況で彼を演じました。よく知られている人物でもないので、客観的な事実に重点を置き演じたのは事実なんですが、実在の人物であることから慎重さは欠かしませんでした。加えて、大衆映画としての美徳を生かしつつ、この人物を演じなければと思っていたので、奥の深い人間味豊かなキャラクターに見えるよう努力しました」

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